Activity report
活動レポート

自然共生 緑の地球を保護・再生


雑草も生えない
荒廃した土地を
もう一度森林に
課題の背景
長年の
鉱山事業によって
荒れ果てた大地

当社は、第二の技術開発拠点を設立するべく、2011年に岐阜県多治見市に約40万m2の用地を取得。テストコースを備えた多治見技術センターの建設に着手しました。この際、大きな課題となったのが荒廃した土地の緑化です。かつて鉱山として利用されていた取得地は雑草も生えないほど荒れ果てており、強風時には砂が飛散、雨天時には土壌が濁水となって道路に流出。近隣住民は大いに迷惑を被っていました。そのため当社は土地所有企業の責任としてこの土地を鉱山稼働前の自然環境に近づける緑化計画をスタートしたのです。
私たちの発想
風雨に荒らされる
斜面に土木工事の
技術で挑む

当初は肥料などで土壌改良を施せば、容易に植物の生育は可能と考えていましたが、条件を変えて土壌改良した3種類の土に牧草系種子を蒔いてみたところ、いずれも発芽せず。松などの針葉樹の苗木を植林するも、3ヵ月程度で枯れ、生育は非常に困難な状況と判断しなければなりませんでした。これは土自体の貧栄養に加え、肥料や種子を投じても、雨で土が流れて定着しないことも大きな要因でした。そこで行政にも相談のうえ、岐阜県内の公共事業において緑化を手掛ける実績業者からアドバイスを受け、表面の緑化に適した「ウッドチップマルチング工法」に挑戦することに。

活動レポート
植物が戻り、
生物が戻り、
森林化へと着実に

こうしてマルチング材によって固定されたウッドチップ層に牧草系種子を蒔いたところ、約1年後には発芽し、一面の緑地化に成功。伸びてきた草を刈り、堆肥化することで表層部分の土壌改良はさらに進みました。また植物が生育したことで多くの種類の昆虫も生息。隣接する山林から野鳥や猪が往来するようになり、自然環境の改善が大きく進展しています。今後は特に改善が進んでいる場所を選定して、多治見市の木である「ツツジ」を植樹していく計画を立てており、表面緑化だけでなく、針葉樹の森林化に向けて挑戦を続けていきます。
Challenger
多治見技術センター
施設管理チーム

今回の案件は当社にとってはじめての大規模な緑地化であり、スタート時点では誰も専門知識を持っていませんでした。簡単に成し遂げられると思っていたプロジェクトは難航し、土壌を改良して苗木を植樹しても枯れてしまって肩を落とす日々が続きました。しかし、継続的な取り組みのかいがあって、次第に敷地が緑に覆われるように。現在は雑草が活発に繁殖しています。表層の堆肥化に成果を得てホッとする一方、これを放っておくと施設活動に影響をきたすため草刈りの頻度が増えており、少し複雑な気持ちも味わっています。