Activity report
活動レポート
資源循環 もう一度資源に戻す
使用済みの
プラスチックを
次世代の
自動車部品に
課題の背景
国内初の
技術開発に挑む
仲間を求めて
いま、自動車に使用されるプラスチックを再利用品に置きかえる試みが世界的に推進されています。欧州では、2032年から輸入自動車に対して20~25%程度のリサイクルプラスチックの使用を義務化する見込み。トヨタグループも法規対応に向けて、この基準を満たすことを目指しており、当社は数年前より原材料としてリサイクルプラスチックの確保を進めてきました。しかし、自動車に使用できるレベルの耐久性を備えたリサイクルプラスチックは、市場にわずかしか流通していません。リサイクルプラスチックの調達の難しさを理解した当社は、自動車に適合するリサイクルプラスチックを自社で開発できないかと考えるに至りました。ただし、開発を進めるためには大前提として、異物混入の少ない使用済みプラスチックを収集することが不可欠です。そこで着目したのが、全国に先駆けて「亀岡市プラスチック製レジ袋提供禁止条例」を制定するなど、プラスチックごみのゼロ化を掲げる亀岡市の活動でした。
私たちの発想
事業者間の連携が
高品質なリサイクル
プラスチックを
生み出す
当社はリサイクルプラスチックの確保、亀岡市は資源の循環によるごみの削減、という互いの目的が一致したため、2025年3月から「かめおか未来づくり環境パートナーシップ協定」を締結。両者が協力することで、使用済みプラスチックをモビリティ部品として再生利用し、資源循環を可能にするリサイクルスキームの確立を目指すこととなりました。また、本件の実現には、必要なプラスチックの選定、においの除去、耐久性の確保など、階層の異なる数々の技術課題を解決する必要があったため、協定の締結に至る過程で亀岡市から、株式会社ごみの学校(ごみの分別回収・組成調査担当)をご紹介いただき、また株式会社富山環境整備(破砕・選別担当)、永興物産株式会社(再生(原材料生産)担当)という専門性を有する会社に相談しました。その結果、自治体・静脈・動脈企業※2の複合的な連携により、使用済みプラスチックをリサイクルするプロジェクトが動きはじめたのです。私たちがこの再生技術を実証することができれば、他の分野でも使用済みプラスチックのリサイクルが推進され、国内のサーキュラーエコノミーの実現に大きく貢献できるはずです。
※2 経済活動を動物の血液循環に例えた呼称で、資源や製品を社会に供給する産業(動脈)と使用済み製品や廃棄物を回収・再利用・再資源化する産業(静脈)を指す。

活動レポート
それぞれの思いを
抱えながら、
一つの目標に
向かう
協定を締結した3月から各社が動きはじめました。最初に直面した課題は、プラスチックごみの中から、自動車部品に適したポリプロピレンを選別・回収すること。そして材料物性の低下や外観の品質不良の要因となる異物混入を防止する方法や、においを除去する技術の確立も必要です。2025年8月には、株式会社ごみの学校が行った亀岡市のプラスチックごみの組成調査により、自動車部品に適した分別回収製品を特定。現在は、亀岡市内の資源回収所を借りて、特定した分別回収製品を回収する試みを行うとともに、組成調査で出てきた課題に対して定期的に情報交換しながら、各企業が検討を進めています。当社も使用済みプラスチック由来のリサイクルプラスチックの物性について検証を行っております。また本件は、社会に新たな仕組みを創出する試みのため、技術的な検討だけでは足りません。亀岡市や株式会社ごみの学校は、プラスチックごみが自動車部品として生まれ変わる姿を市民にアピールすることで、分別の価値や楽しさの理解浸透を図り、リサイクルを地域に文化として定着させる取り組みも進めています。こうして各パートナーがそれぞれの立場で挑戦しながら、一丸となって使用済みプラスチックの自動車部品化の実証に取り組んでいます。
Challenger
亀岡市
使用済みプラスチック
リサイクル実証チーム
- 亀岡市
- 2013年に開催した内陸地域初の「海ごみサミット2012亀岡保津川会議」を皮切りに環境改善に取り組んできました。市のプロジェクトとして、これまでの施策で市民の方々にもご協力をいただいてきました。今回の事業を通じて、市民の方々に普段分別するごみがモビリティとして生まれ変わる姿を見せることで、より楽しく、目的意識をもって、分別に取り組んでいただきたいと感じています。
- 株式会社ごみの学校
- 亀岡市からお話をいただき、トヨタ紡織の環境に対する思いに共感したことで、活動に参加しました。普段は企業と連携したワークショップなどにより市民のみなさまにごみの分別に対する意識啓発を行っています。本事業により市民にごみの分別のモチベーションを向上し資源循環の底上げとなるきっかけとなることを願っています。
- 株式会社富山環境整備
- 2000年から容器包装プラスチックの再商品化を実施しています。2024年度からは亀岡市と連携し、再商品化計画認定を取得し市民のみなさまから回収したプラスチック再生材を製造し、生まれたごみ袋を通じて、市民に再生材の利用用途を広く知っていただくことを進めています。また、このリサイクル実証事業を通じ、各関係者のみなさまに再生材製造の現状を広く知っていただくことで、自動車業界での再生材利用の可能性を見出すことを目指しています。
- 永興物産株式会社
- 容器包装リサイクル材を次世代の自動車部品へと再生・活用する本プロジェクトは、環境負荷低減と地域循環型社会の実現に向けた、大きな一歩だと考えております。関係者と力を合わせることで、資源に新たな価値を生み出すことができると確信しています。 課題も多く、技術的ハードルや運用面の調整など、決して容易な取り組みではありません。 しかし、だからこそ私たちが『チャレンジ』する意義があります。 新しい素材の可能性を切り拓き、地域と産業がともに成長できる仕組みをつくるために、これまで以上の熱意と責任感をもってプロジェクトに取り組んで参ります。
